東京都市大学等々力中学校・高等学校 校長インタビュー
校長先生に至るまでの経歴についてお聞かせください。
大学を卒業後、埼玉県の公立中学校教員採用試験(理科)に合格し、埼玉県内特別支援学校に教諭として赴任しました。同校では重症心身障碍児クラスを担当しておりました。理科(化学)を中高生に教えたいという思いが強くなり、私学への転職を決意。ご縁があり、東京都市大学付属中学校・高等学校に理科教諭として採用されました。教諭として21年間(最後の半年は主幹教諭)、主に高校のクラス担任・高校化学を担当しておりました。校務分掌は、生徒会、進路、入試・広報を担当し、部活動は中学軟式野球部を21年間、他に、中高ワンダーフォーゲル部を5年間、顧問をしておりました。2010年4月より、同校の教頭として、主に入試・広報、教務、進路、生徒会などを担当し、2021年4月から副校長兼教頭として勤務した後、2024年4月より東京都市大学等々力中学校・高等学校の校長に就任しました。
東京都市大学等々力中学校・高等学校(以下、等々力中高)の教育について、具体的な中身や特徴について教えてください。
本年の4月に系列校の東京都市大学付属中高(男子校)から異動しましたが、校風や教育プログラムなどには大きな違いがあります。しかし、しっかりした教育プログラムや教職員の熱心な指導など両校に共通したところもあります。等々力中高の教育プログラムの特長としては、朝学習・通常授業・放課後の学習指導・自習室・長期休暇中の講習・勉強合宿など学習支援システムが非常に充実していることがあげられます。また、ICTを活用した参加・発信型授業、理科教育や国際理解教育などにも力を入れております。さらに、TQノートを活用して、日々の学習の計画と振り返りを行うことで、生徒の自律と自立を支援しています。学習面以外にも、宿泊行事や生徒会活動、部活動などにも力を注いでおり、生徒が主体的に活動している学校です。
公立校とのちがい、等々力中高ならではの特徴は何ですか?
私学にはそれぞれの建学の精神・教育理念があります。都市大等々力の教育理念は「高潔・英知・共生」であり、2010年に女子校から共学化する際に、これらの教育理念に基づき「ノブレス・オブリージュとグローバルリーダーの育成」を掲げて教育活動を実践しております。特に、ノブレス・オブリージュ(高潔な若人の果たすべき責任と義務)という言葉は生徒にも浸透しており、さまざまな場面でこの言葉を意識して学校生活を送っております。また、本校の様々な教育プログラムが、「高潔・英知・共生」、「ノブレス・オブリージュ」、「グローバルリーダーの育成」を意識しながらつくられています。例えば、「共生」ではアサーティブな人間関係を構築すること、「英知」ではメタ認知能力の高い人を育成することを目指して、日々の授業や学校行事を実践しています。
等々力中高が求める教員像(人材像)についてお聞かせてください。
まずは本校の教育理念(「高潔・英知・共生」「ノブレス・オブリージュとグローバルリーダーの育成」)に目を通していただき、理解・共感していただくことをお願いしたいと思います。授業(教科指導)はもちろんのこと、生徒指導、学校行事、分掌業務、保護者対応など学校の現場では様々な業務があります。これらの業務全般について、生徒の成長、夢の実現のために、尽力していきたいという強い信念と意欲を持った教員を求めております。
等々力中高の教員に求められる特性やスキルはありますか?
本校の特長でもある「面倒見の良さ」については、ご理解いただき、生徒に寄り添って辛抱強く指導に当たっていただきたいと思います。また、本校ではICT教育に力を注いでおります。ロイロ認定校に認定されており、ロイロ認定ティーチャーも数多く在籍しています。本校に勤務されることになりましたら、積極的にICT教育のスキルを身に着ける努力をしていただきたいと思います。ICTが得意でなかった方でも本校に勤務されてから、ICT機器を活用した授業が得意になった方もいますので、心配なさらなくても大丈夫です。また、学校は、教科・学年・分掌など様々な業務があり、それぞれがチームで教育活動に当たっています。教員同士が互いに協力し合う必要がありますので、アサーティブな人間関係を構築する努力をしていただきたいと思います。
今後、等々力中高をどのような学校にしていきたいですか?
本校は大学の付属校ではありますが、多くの生徒は他大学の進学を目指しております。その目標や夢の実現のために、進学校として教育活動を実践していきたいと考えています。2010年度に共学化して以降、大学進学状況は着実に向上しておりますので、これまでの教育実践を継続していきたいと考えております。一方、私は本校に着任にしてまだ4カ月が過ぎたところですので、現在は本校の教育について、私自身が学んでいるところです。その中から、課題を見つけて発展させていく所存です。また、前任校は系列の都市大付属中高ですので、両校の教員や生徒間の交流をさらに深めて、互いの優れた教育実践を共有し、都市大グループ全体の向上に努めていきたいと思います。
等々力中高の教員へ興味を持っている方へメッセージをお願いします。
私が校長に就任した4月に、全専任教員にアンケートを実施しました。その中に「本校の優れた点を一つ上げてください」という質問があったのですが、次の3点がほぼ同数でほとんどの教員がいずれかを回答していました。「教員の面倒見の良さと熱意」「進んだICT教育」「教員間のチームワークの良さ」の3点です。私自身も共感できる内容で、働き甲斐がある職場であり、多くの教員が本校で長く勤務したいと思っている学校です。また、本校は大学の付属校ではありますが、大多数の生徒が難関大学への進学を志しています。進学指導に尽力したいという強い意欲をお持ちの方は、是非、本校の採用試験にエントリーしていただき、ご縁があることを祈念しております。