生徒と「共に育つ=共育」
毎日が新しい発見の連続です。
塩尻高校
東京都市大学塩尻高等学校 専任教諭
大学を卒業したあと、普通に一般企業で営業の仕事をしていました。仕事は仕事で面白かったんですけど、30歳が近づくにつれて「このままでいいのかな?」「一度きりの人生だし、他のこともやってみたいな」って思うようになったんですよね。それで、「自分に何ができるかな?」って考えていたときに、大学時代に塾講師のバイトをしていたことを思い出したんです。そこから、高校生とか浪人生向けの塾や予備校でフリーランスの講師を始めました。受験に向けて一生懸命な生徒たちと関わるうちに、「教えるって面白いな」って実感するようになって。そんなときに、同僚から「高校の先生やってみない?」って声をかけてもらって、それがきっかけで神奈川県の私立高校で教えるようになりました。いろいろ経験を積んで、今は塩尻高校で教員をやっています。
やっぱり大学時代に塾講師のバイトをしていたのが大きかったですね。教えるってことに自然と興味があって、塾には勉強が得意な子もいれば苦手な子もいたんですけど、特に勉強が苦手な子がちょっとずつできるようになっていくのを見るのが、すごく嬉しかったんです。今思えば、それが「教育って面白いな」って思い始めたきっかけだったと思います。それで30歳を前に「自分が本当にできることってなんだろう?」って改めて考えたときに、教える道に進むのが自然だったんですよね。

うちの学校の探究って、「大学で必要になる力を高校のうちからちゃんと身につけられる」っていうのが一番の特徴かなと思っています。大学ではレポートとか論文とかいっぱい書くんですけど、その書き方とか、どうやって調べて、どう考えるかっていう力って、実は高校のうちにちゃんと学べる場ってそんなに多くないんですよ。世の中には探究って言いながら、ただネットで調べて終わりみたいな活動もあって、私たちはそういうのを「探究ごっこ」って呼んでいでます(笑)。でも、うちはそうじゃなくて、先行研究を探して読んで、そこから疑問を持って深掘りしていく、そういう「本物の探究」にこだわっています。生徒は大変そうだけど、卒業したあとに「あれがあってよかったです!」って言ってくれる子が多くて、「大学のレポートで苦労しなかった」とか「いつも成績上位です」って話を聞くと、やっぱりやっていてよかったなって思いますね。
まず、「考えるってどういうことだと思う?」って問いかけるところから始めています。「考えなさい」って言うのは簡単なんですけど、そもそも“考える”って何か分からない子って意外と多いんですよね。だから、まずは「こういうふうに考えるんだよ」っていう例を見せて、一緒に練習するようにしています。これは探究の授業だけじゃなくて、今僕が担当してる「情報Ⅰ」とかの授業でも同じです。どんな授業でも、生徒が自分で考えて、自分の意見を持てるように意識しています。

やっぱり、教員自身が「学ぶ姿勢」を持ち続けることが大事だと思っています。生徒っていろんなことに興味を持っていて、「それ面白いね!」って先生が反応すると、生徒のやる気って一気に変わるんですよ。でも、逆に先生がつまらなそうにしていたら、「あ、これってダメなテーマなのかな」って思っちゃう。だからこそ、先生自身が「知らないことを楽しむ」姿勢を見せるって大切だと思っています。「知らない=恥ずかしい」じゃなくて、「知らない=面白い」って感じられるような空気をつくりたいですね。そういう先生の姿があれば、生徒ももっと前向きに探究に取り組んでくれると思うんです。
正直言って、「探究」ってめちゃくちゃ大変です。生徒が自分の専門外のことに興味を持つなんて日常茶飯事で、これまでも「スマホ依存」とか「マイクロアグレッション」とか「起立性調節障がい」とか「認知症ケア」とか、自分には専門知識がないテーマを指導してきました。教科の授業でも、ただ教科書どおりに教えるだけじゃ探究的な学びって生まれないので、「何を教えるか」「どう考えてもらうか」っていうのを自分でいろんな資料を読んで準備しなきゃいけない。正直、準備は本当に大変です。でもその分、自分の知らなかった世界に出会えたり、生徒から学ぶことも多いんです。まさに「共に育つ=共育」っていう感じで、毎日が新しい発見の連続です。「教える」ことだけじゃなくて、「一緒に学ぶ」ことにワクワクできる人には、ほんとにぴったりな職場だと思います。ぜひ、一緒に探究の旅に出ましょう!

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